施設に入れられた俺は孤立した。
俺の腕に彫られた龍。
それを怖がったり変な言いがかりつけたりみんな近づいてこなかった。
里親もなかなか見つからなかった。
近付くなと石を投げられたこともあった。

〔強くなって見返してやる〕

俺はその頃復讐しか考えてなかった。
殺してやる。いつかあの男をこの手で。
毎日毎日思っていた。
そんな頃だった。
施設の関係者の1人。
海夕（みゆ）は俺が拒絶して冷たい態度をとっても何度も諦めず話しかけてきた。
殴った事もあった。蹴ったこともあった。
それでも何度も何度も話しかけてきた。
毎日毎日うぜぇんだよ。
でも、心のどこかでは嬉しかったきがする。

｢龍雅くん！みんなとかくれんぼしよ！｣
｢龍雅くん！こっちおいでよ。｣
｢龍雅くん～～～………｣

俺は毎日無視し続けた。
そんなある日小さな事件が起きた。

そこの施設は夏になるとプールに入る。
俺はプールが大っ嫌いだった。
墨のある俺は、皆からも施設の関係者からも冷たい目で見られたから。
なのに新しく入ってきた5歳の男の子が俺が入らないのを不思議に思ったんだろう…

｢お兄ちゃん入らないの？｣

と言ってきた。
それに対し俺が答えないでいると1人が俺の腕を掴んだ。
それが合図だったんだろうか…
数人が俺を抑え1人が俺の服を無理やり脱がせた。

｢コイツ腕に龍がいんだぜ。見ろよこれ！｣

1人がそう言った瞬間俺の抑えてきた気持ちが爆発してそいつを殴った。
何度も殴りプールに突き落とし俺はそいつを沈め殺そうとした。