｢止めろ。｣

お父さんにそう言われ止めようとした私は妹が起きて来たことに気づいた。

｢お姉ちゃん。お母さんどこに行くの？｣

眠そうな目を擦って不思議そうに訪ねてくる。

｢散歩だって…｣

誤魔化す私をよそにお母さんは出ていった。
それっきり帰ってくることは無かった。
お父さんに止めなかったことを責められ、お母さん子だった妹は落ち込みご飯も食べず学校にも行かなくなった。
弟は落ち着いてるふりをしていた。
家族が一気にバラバラになった。
進路も決めていた私は夢を諦め就職する事を決め年齢を誤魔化しバイトをし始めた。

給料約4、５万程度。
入る度に家庭の借金や弟達の給食費などに回された。
自分が何のために生きてるかわからなくなった。
その頃から私の自傷行為は止まらなくなった。
自殺未遂も何度もして家族に迷惑も沢山かけた。
でも、本当に心配してくれてるのは弟と妹だけだった。
父の目は、お前が死んだら誰が金だ？
そう言っているような気がした。
また死ねない。まだ死ねない。
本当は、死にたくない。
助けて。誰か助けてよ！
今思うとそぅ助けを求めていたのだろう…