私が《死にたい》と思ったのは、きっとこの日からだろう。

中2の夏…
母が浮気をした。
相手は、パート先の人らしい。
朝帰ってきたお母さんは私に

「お弁当作れなくてごめんね」

とだけ言った。
きっとその後お父さんと言い争ったのだろう。
昼の時間にお父さんから電話。

「お母さんが浮気した。出てった。」

と。

それが何度か続いた。
毎晩両親の喧嘩を止めてた。
お父さんが鬱っぽくなった時は学校を休んでまで看病してた。
お母さんはそんなお父さんを怖がっていた。
それが続きある晩。
いつものように喧嘩していた2人。

「私が出てけばいいんでしょ?」

母のセリフから始まった。

「そんなこと言ってねぇーだろうが!お前が出てったら子供たちは誰が見るんだ!」

「あなたが見ればいいでしょ?」

私には、弟と妹がいる。
私たち姉弟は、2人にとって邪魔らしい。
聞いていたのが私だけで良かったとさえ思った。
二人の喧嘩が落ち着いた頃お母さんは

「頭冷やしに散歩いってくる」

鞄を持ちそう言って出ていこうとした。