「まぁ、それだけじゃないけど」


混乱していた琴の頭を、落ち着けたのは、シーナの一声だった

それだけやないねんな・・
ちゃんとした理由はあるねんよな・・


「コト・・」

「ん・・?」

「ちょっと風集めてみて」


シーナの声に、素直に反応して、風を集める琴



シーン・・・




そのまましばらく、沈黙が続く

てか、なんで風を集めなアカンねん!
理由って風?
なんでまた、そこなんよ
もっといろいろ無いんか?
うちの性格がエエとかさぁ・・


そんなことを思う琴だが、周りは沈黙したまま
琴が、痺れを切らして何か言おうとしたとき・・

いきなりアンナが、納得したようにうなずいた



「この子って・・もしかして・・・」


「コトの可能性もあるでしょ」


「うん・・だったらコワルにも知らせなきゃいけないわね」



・・なんや?
いきなり、何があってん!!

全く話に入れなかった琴
苛立ちだけが募っていく・・・
そんな琴を放って、シーナとアンナは二人で話を続ける

もうちょっとうちに構ってぇや!
てか・・
コワルって誰やねんっ

しばらく、心の中でぶつぶつと文句を言っていた琴
だが、すぐにそれは終わった
シーナとアンナが、話がまとまったのか、琴をむりやり引っ張っていったのだ
でっかいお屋敷の中に・・

訳の分からない琴は、「おじゃまします」も言えないまま、中に入っていた