「でも、シーナはたまに仕事さぼるじゃない」



ホワーンとした少女は、琴の存在に気づかずに、話を続ける



「それは違うって。客があまりにも嫌な奴だったんだもん」


「あら？そんな・・嫌な奴なんて、気軽に使っちゃダメよ」



少女は飛びっきりの笑顔をつくる

それが怖く見えるのは、うちだけやろか・・


「嫌な奴っていうのは、生き埋めにしちゃいたいほど、嫌いな人のことを言うのよ」



少女は、その笑顔のまま言う
嫌いな人を思い浮かべて、でもニッコリ笑っているような笑顔だった

・・・笑顔って怖いんや
こんなに怖いもんやったんか!!

もし、この笑顔が作り笑いだとしたら
それほど怖くないのだが・・




「あなた･･･どちらさん？」


突然、少女が琴のほうを向いてそう言う

うちはさっきからおったのに、いまさらそれかい!!

琴はつい、そうつっこみそうになった
が、少女があまりにもニコニコと笑っているので、黙る
この少女は・・いろんな意味で天然だ

シーナは、少女に琴を紹介した

今まで何にも思わんかったけど・・
この少女は、シーナの仲間なんやろか・・？