湿った風が吹いていた。
明日は雨やな・・・
琴はそんなことを考えながら、歩いていた。
ついさっきまでは、弥生と神奈といっしょに豪と一樹君の高校につれて行ってもらっていたのに、今は一人だった。
弥生と神奈とはいっしょに帰る予定だったのに、用事ができたとかで先に帰ってしまったからだ。
後で絶対一樹君に怒ってもらお!
弥生は一樹君に惚れとったし、
神奈は神奈で一樹君のこと尊敬しとったし、
あの二人を怒ってもらう役にはぴったしや!
そう思ってから琴は考えた。
よう考えたら一樹君って結構かっこええからなぁ。
一樹君の怒り顔にまた惚れてもたりするかも・・
そう思うと琴はおもわず笑ってしまうのだった。