私はどうしようもなくその望みを叶えたかった。

本に出てきた、新選組、彼らの最期は決して明るくなかったが、とても不幸せに亡くなった訳ではない。

確かに、それぞれが望まない形で望まない方法で亡くなったが、その人生は、きらびやかで、納得して死にゆくことが出来たのでは、ないだろうか?
私は、心の中で強く願った。

そして、気付くと私はある神社にいた。

そこには、都会の街中では、見られない景色が広がっていた。

ここがどこか分からず、多少気の焦りもあったが、何故か、清々した気分であった。

そう感じるほど、私の心は麻痺していたのだろうか?








そして、あなたに出逢った。
それは、 菊池葉月、15歳の出来事である。
私は、貴方と7年の時を過ごした。

試衛館のみなさまは、暖かく、優しかった。私は人に甘えるということを幾年かぶりに経験した。

本当に幸せだった。





両親からの愛情をほとんど知らない私を

「私たちは子供がいないから……」

と本当の子どものように、慈しんでくれた周助先生と、その奥様のふでさん。

友達のいなかった私に信じることを教え、

優しさを与えてくれた試衛館の仲間、

土方さん、惣ちゃん、左之助さん、永倉さん、斎藤さん、井上さん、山南さん、平助さん。

そして…












私に、人生で、初めての恋を教えてくれた
勇さん。













本当に暖かくて、私は満ち足りた日々を過ごしていた。
そして、あの日…







私は勇さんと現代で言うデートに出掛けた。
勇さんはさりげなく私を気遣ってくれ、とても楽しい時を過ごした。

勇さんは、私に綺麗な簪(かんざし)を買ってくれた。
誰かに何かを貰うのは、こんなにも嬉しいことなのか。
いや、勇さんだからこそ、私は心が、満たされた気持ちになったのかも知れない。

そして、私は、勇さんとキスを交わした。私のファーストキスは、甘く、暖かった。

しかし、あの甘味な時間は長くは続かなかった。

私はデートの後、いつものように、風呂の湯加減の調整をしながら、勇さんと話した。

私は勇さんと一緒にいる時間を大切に過ごした。それは、今まで経験したことのない、愛おしいという気持ちからだった。











そして、私は、勇さんに告げようとした言葉がある。