「あんた、騙されてない??」
翌日、公休だった私は、高校時代からの親友の暮永正美(クレナガマサミ)とランチがてら、カフェで頬を緩めまくっていた。
正美は隣の市の駅近くで、インテリアコーディネイターを傍らに雑貨店をしていた。
すっきりと整った顔立ちとスリムな体型は○塚風で、性格も竹を割ったようにさっぱりしていた。
「騙されてなんて!!」
何を言い出すのか、と身を乗り出す。
「だってさ、なんか怪しいじゃん。同じ社内でそこまで頑なに隠そうとするなんて。堂々と付き合えばいいのに」
「………それは、……そうなんだけど」
口ごもる。
確かにここまであからさまに隠されると、どこまで信じていいのかわからなくなる。
「あのやり手の副社長でしょう」
冷たいグラスのブラックコーヒーをストローで混ぜながら。
ホームページでも、社長と共に写真付きで紹介されている。
2人揃って、いや、社員男性イケメン揃いだ。