「ありがとう。助かった」 「ねえ、名前だけ教えてよ」 「はっ!?」 「お礼なんて要らないからさ、おねーさん、好みのタイプなんだ俺。名前だけ教えてよ」 何を言ってるのこの子は!? 「お断りします。それじゃあこれで。どうもありがとう」 迂闊にも動揺してしまった私は、履歴を消す約束と実行を確かめる作業を怠ってしまった。 「[KAmuRA]……か。登録しとこ」