そこにいたのは、いつか見たままのナオキ君だった。
時間が止まったように固まってふたり、動けなくなっていた。
時間にして1分もなかったかもしれない。けれど永遠のようにも感じられた。
ようやくざわざわと周りの音が耳に入り出す。
「佐那ちゃん…えっ!?なんで??」
咄嗟に振り向いて店内に逃げ込んでしまった。
まるでかくれんぼをして見つかってしまった子供のような気分だった。
「ちょっと待って!!何で逃げるの!!」
パソコンを弄っていた正美も驚く。
「えっ?なになに!?警察呼ぶ??」
「えっ!?えっ??ナオキ!?なに!?」
連れの女性、恐らく彼女だろう。驚いてわたわたする。
「佐那ちゃん……佐那!!」
呼び捨てにされ、2階に向かう階段の入り口でビクッと止まる。
「佐那……」