モノクロサマーバケーションのレビュー一覧
5.0
ある夏の出来事を切り取った物語。少女の目に写る光景がありありと浮かび、まるで彼女と会話をしているかのように心の中までも全て読み手に伝わってくる。 思春期の心に落とした影はカラフルだった毎日を、あっという間にモノクロに変えてしまうほどの破壊力がある。 私もかつて、世界はモノクロだと感じたことがあるからか、彼女の心情が痛いほど伝わってきた。 そして、一度モノクロになった世界はそう簡単には色付かない。 都合よく笑顔になったり、物語が終わる頃には全部解決してハッピーエンド、なんてことは現実にはあまりない。 けれど、この夏彼女が共にした一人の男子生徒の存在によって、確実になにかが変わっていくような予感がした。 これから少しずつ色づき始める彼女の世界、それを想像させてくれるようなラストに胸が熱くなりました。 とても素晴らしい作品でした。
ある夏の出来事を切り取った物語。少女の目に写る光景がありありと浮かび、まるで彼女と会話をしているかのように心の中までも全て読み手に伝わってくる。
思春期の心に落とした影はカラフルだった毎日を、あっという間にモノクロに変えてしまうほどの破壊力がある。
私もかつて、世界はモノクロだと感じたことがあるからか、彼女の心情が痛いほど伝わってきた。
そして、一度モノクロになった世界はそう簡単には色付かない。
都合よく笑顔になったり、物語が終わる頃には全部解決してハッピーエンド、なんてことは現実にはあまりない。
けれど、この夏彼女が共にした一人の男子生徒の存在によって、確実になにかが変わっていくような予感がした。
これから少しずつ色づき始める彼女の世界、それを想像させてくれるようなラストに胸が熱くなりました。
とても素晴らしい作品でした。
ここから色づいて物語が始まる
夏休み、自分の意思とは反対に何故か写真部に入ることになった。しかも部長はコンクールに出す写真を撮れと言ってくる。
モノクロに切り取られた世界。消費されるだけの「ありがとう」という言葉。焼けた自分の肌。辞めてしまった水泳部。心の中の蟠りがぜんぶ一気に消えるわけじゃない。だけど、モノクロだって綺麗なのかもしれない。そう思えたのは、きっとこの夏一緒に写真を撮っていた彼のおかげだ。
洗練された文章と思春期のリアルな心情。作者さまのこの世界観が本当にだいすきで、読むたび圧巻されてしまいます。
ありがとうって簡単に私達は使ってしまう。けれど、本当はもっともっと大切にしなきゃいけない言葉なのかもしれない。この物語の最後のようにあたたかくて純粋な「ありがとう」を忘れかけていたように思います。
是非ご一読ください。
ひとつの夏休み、少女と少年。 息を詰めたような夏の暑さ、空気、悩みと、感情がこの短編には詰まっていました。 こんなに色とりどりの世界にいるのに、モノクロなら、と彼女はいいます。 淡々と流れる物語に、少女の孤独と切なさが浮かんでいて、胸が痛くなります。 最後、モノクロのむこうにどんな色が見えただろう。 色水がはじけたみたいなラストに、そう思いました。 著者にしか出せないこの雰囲気がわたしは大好き。 素敵な短編をありがとうございました。
ひとつの夏休み、少女と少年。
息を詰めたような夏の暑さ、空気、悩みと、感情がこの短編には詰まっていました。
こんなに色とりどりの世界にいるのに、モノクロなら、と彼女はいいます。
淡々と流れる物語に、少女の孤独と切なさが浮かんでいて、胸が痛くなります。
最後、モノクロのむこうにどんな色が見えただろう。
色水がはじけたみたいなラストに、そう思いました。
著者にしか出せないこの雰囲気がわたしは大好き。
素敵な短編をありがとうございました。
とある夏の日を過ごした少女と、その少女と関わることになった少年との交流を、少女の視点で書いた小説です。 盛夏特有の強烈な陽射しや、肌に纏わりつく湿度や汗が、鮮やかに脳裏に甦ってくる表現力。 少女の語り口に潜む、孤独感と切なさ。そしてメランコリックではあるけれど、どこか淡々と突き放した目線は思春期特有の感性で、『そういえば昔、自分もこんな感じに風景を見ていたなぁ』と遠い記憶を引っ張り出されてしまうくらい、お見事です。 平凡で『モロクロ』にしか見えなかった日々は、本当はたった一度だけの特別な『カラフル』な日々。 レンズ越しに切り取られた情景が伝えてくれるその事実に、ヒロインの少女が気付いてくれたのが嬉しいです。 素敵な作品をありがとうございました。
とある夏の日を過ごした少女と、その少女と関わることになった少年との交流を、少女の視点で書いた小説です。
盛夏特有の強烈な陽射しや、肌に纏わりつく湿度や汗が、鮮やかに脳裏に甦ってくる表現力。
少女の語り口に潜む、孤独感と切なさ。そしてメランコリックではあるけれど、どこか淡々と突き放した目線は思春期特有の感性で、『そういえば昔、自分もこんな感じに風景を見ていたなぁ』と遠い記憶を引っ張り出されてしまうくらい、お見事です。
平凡で『モロクロ』にしか見えなかった日々は、本当はたった一度だけの特別な『カラフル』な日々。
レンズ越しに切り取られた情景が伝えてくれるその事実に、ヒロインの少女が気付いてくれたのが嬉しいです。
素敵な作品をありがとうございました。