綾乃も微笑んで俺を見てそれからお姉さんに向き直った。

「シャルはね、思ったら直ぐに気持ちを言葉や行動に移して伝えてくれるの。最初はフランス人だからかな?なんて思ってたけど今はとにかく私に届く様に必死だったんだなって分かってきた。」

そう言うと少し照れくさそうにして

「でもね、そんなシャルの言葉も行動もとても嬉しくて、甘えられるようになってきたの。そしたらもう離れがたくなって…。そんな風に感じた頃シャルが結婚しようって言ってくれたの。嬉しかった。シャルの隣が私の居場所だって思えたから。知り合ってまだそんなに時間が経ってないけど大丈夫って思えるの。」

そして俺を見て微笑んで

「だからシャルと結婚したいの。家族になりたいの。」

そう伝えてくれた綾乃の気持ちが嬉しくて肩を寄せて額にキスをした。

「ふふ、出逢うべくして出逢った感じね。何よりこんなに落ち着いて幸せそうな顔を見せられたらね。元々反対しないけど。」

苦笑している美咲さんに慎吾さんはにこにことしている。

「僕から見ても2人は相思相愛だね。美咲、綾乃ちゃんはクラークさんに任せたら大丈夫だよ。」

「そうね。これが娘を嫁にだす父親の気持ちに近いのかしら。嬉しいのに少し寂しいの複雑だわ。」

そう微笑んで言う美咲さんは確かに喜びと少しの寂しさの混ざった顔をしていた。