「歳は離れていますが、生活に困るような事はありません。またうちの両親もやっと結婚すると言う俺に喜んで綾乃が嫁いできてくれるのを楽しみに待っています。」

そう言うと少し安心したような顔をした。

「ちなみにご両親は何をしていらっしゃるんですか?」

美咲さんに聞かれた


「両親はもういい歳なので、父は大学で教授をしていてのんびり自分の研究をしながら週2回のゼミ生への授業をして残りは家の資産管理をしつつのんびりしてます。母も同様にのんびりしつつ週に何日か近所の子どもにピアノのレッスンをしています。」

「資産管理?失礼ですが、クラークさんの家は資産家ですか?」

「えっと家に代々受け継がれている別荘や城がありまして。お金かかるだけなんで手放したいんですけど、そうもいかない事情がありまして。」


「「城?!別荘?!」」

義兄さんとお姉さんが同時に驚いた声を上げる。

「はい。現代では名前だけみたいな物ですけどクラーク家は侯爵の爵位があります。」


「え?貴族?フランスの貴族ってこと?」

「昔なら爵位で上下関係とかありましたけど、今はただの名前だけです。不動産的な資産はありますけれどそれだけで、うちは両親共に普通の人ですよ。厄介な付き合いも最低限の仲のいい所としかしていませんから、綾乃さんが大変になる事はありません。」