「綾乃、紹介するよ。家の執事のリカルドとボディーガードのジークにポールにアーロンだよ。」


そう家の使用人を紹介するとポカーンとしている。


「シャルのお家が貴族の侯爵家とは聞いたけど、今もって使用人さんがいるのね?すっごいお金持ちって事だね。」

そう呟くと

「クラーク家はリークウェンス侯爵家と申しまして、遡れば英国王室とも繋がりのある由緒ある侯爵家です。」

リカルドさんにそう言われてびっくりした。

「シャル、本当にそんな立派なお家に私が嫁いで大丈夫なの?」

とっても不安そうに聞く綾乃を俺は抱きしめた。
そしてしっかり目を合わせて伝えた。

「綾乃、俺は綾乃以外との結婚は考えられない。綾乃に断られたら俺は一生独身。侯爵家の直系は途絶えるね。」


「シャルは一人っ子なの?」


「そう。だから親はとにかく誰でもいいから結婚して孫を見せてくれって言ってる。だから綾乃と結婚したいと言ったら一も二もなく認めてくれた訳。」


「俺のうちはそんな感じだからむしろ結婚する気にさせてくれた綾乃を今か今かとフランスでやきもきしながら待ってるよ。」


そう笑って言った。


「むしろ今日は俺が頑張ってお姉さんに挨拶して、綾乃をお嫁さんに貰えるように許してもらわないといけないんだから。」