「なんでまた学校なんかに来てるわけ?」
「マジで死んでほしい」
「てか死ねば?」
「ホントそれなwww」

朝、廊下を通る。
それだけで暴言を吐かれる毎日。
いや、登校しただけで暴言を浴びせられる毎日か。
でも、気になんかしない。
強いからじゃない。
興味が無いからじゃない。
ただ、私達には秘密があるから。

いじめの主犯格…

「もーやめな?言ってもどーせわからないんだしw」

この、涼原 鈴夏 との間に。

「なに、その目?ムカつく!」

ドンッ

「痛っ…、」

鈴夏は今、私を蹴った。
慣れていても流石に痛い。
鈴夏のその華奢な脚からは想像もできないほど重い蹴り。
よく、男子達が鈴夏の脚を掴んだりしたら折れそうだ、みたいな話をしていたのを聞いたことがある。

確かにそれは女子の私でも共感できるほどだった。
淡雪のような肌。
モデルのような脚の細さ。
それでも、綺麗に均等に肉のついた脚。

まさに女子達の憧れの的だ。

「なんで1回蹴っただけで転んでんの?ダッサ。」
「……。」
「口も言えないの?つまんな。もー行こ。」
「だねぇ。」
「あははw」

「痛い……。」

鈴夏は私の事なんてお構いなしにその場を去っていく。

ま、どうでもいいんだけど。