そんな心がけをするボクの前に、





シュタッ…---!




現れたのは1匹の野良猫。






数々の死闘をくぐり抜けてきたのか顔には大きな傷跡があり、体格も立派。




「ミャーーーオ!」(小僧、ここは俺様の縄張りだぞ!)



なっ!



こやつ、ボクが人間ではなく猫だと気付いているのか!?



そして人間の姿のボクに勝てると思ってるのか…っ!?





相手の鋭い目つきにボクも咄嗟に戦闘体制に入る。






「キシャーーーーッ!」





「シャーーーッ!ゴロニャーオ!!」





ゴロンゴロンッ---!




あっという間に取っ組み合いのケンカとなりボクとボス猫は転がりながら塀から落っこちた。





「おい…、そんなとこでなにやってる?もげ太。」




「ハッ!しまった!!」



…白い目でこちらを見据えるご主人様。




ご主人様はシッシッとボクと一緒にいたボス猫を追い払うとボクの首根っこを捕まえた。




ご主人様にそこを押さえられると、ボクはいつもシュンと大人しくなる。
悲しきかな…猫の習性。




「なーにが、しまった!だ!
家で留守番してろって言っただろ!なんでついてきてんだ!しかも他所の猫とケンカすな!」




ということで、ボクはあっけなく見つかってしまった…。