「ご主人様!?これは一体どう言う事かにゃ!?」
耳と尻尾を持ったまま、ご主人様に聞いてみたけれど、ご主人様は、
「さぁな。そんなことを俺に聞かれても困る!お前自身になにか心あたりはないのか?」
ときっぱり断言され、逆に質問されてしまった。
「…もんげ〜。心あたりといえば、ボクはずっとご主人様に伝えたい事が…」
「ハッ!
と、とにかく、もうこんな時間だから、俺はアルバイトに行かなきゃならない!お前のそんな姿を誰かに見られるわけにもいかないし、お前はいつもみたいにうちで留守番してるんだぞ!いいな?」
もじもじするボクを無視して、ご主人様は時計とにらめっこし忙しなく身支度をする。
「ほら、猫缶だ。いや…今はパンとかの方がいいか?どっちも置いていくから好きな方を食べるんだぞ!じゃ、じゃあな!」
「ご主人様!待っ…!」
ボクの呼び止め虚しく、
ご主人様は…
バタン…---!
行ってしまった…。
いつもの行ってきますのギューも、頭ナデナデもなく。
ボクは不満に口を尖らせる。