この男の子は一体何を言っているんだ。私は彼の言っていることが全く理解出来なかった。初対面の相手にいきなり,自分は死んでいると述べるのは余りにもおかしい。まさか彼は世間でいう残念なイケメンなのか。そう思った時,彼は手を差し出した。握手をしろと言うことだろうか。そして彼の手をとろうと腕を伸ばした。

「え…?」

その手は虚しく宙を切ったのだ。確かに触れたはずなのに。目の前の彼の手を突っ切って。

「うそ…幽霊…なの?」
「言ったじゃん,そうだって」
「冗談じゃなく…て?」
「お前今試したじゃん」

確かにそうだ。普通の人ならば抜けるはずがない,