「はぁ………。」
秘密はいつかはバレるもの。
だったら、早めに言っとくようにしよう。
僕は哀川さんの部屋へ向かう。

_______________コンッコンッ。

「哀川さん、起きてる?」
「緋山君?起きてるよ。」
「ドア開けなくていいからそのまま聞いて。」
わざわざ顔を見ていう必要なんてない。
「哀川さんが秘密を教えたら僕も教えるってことだったでしょ。」
「あ、あれは別に、」
「一回しか言わないよ。」



「螢は死んだ兄の名前。」



それだけ。
たったの一言だけ。
「じゃあ、おやすみ。」
「えっ!あ、おやすみ!」
僕が今言える最大の秘密。
今、言えるだけ。
他の秘密は………。


「それは、また今度。」
一人で呟く。
その声が妙に響いた。


ルームシェア3日目、終了。