気がついたら外は明るくなっている。
「朝ごはん準備しなくちゃ。」
緋山君はいつもどれ位の時間に起きてるのかな。ルームシェアを始めて、１週間経ったけどなかなか生活リズムが掴めない。
「昨日は遅かったもんね。緋山君、起こさない方がいいよね…。」
ゆっくりと足を忍ばせてリビングへ向かう。
やっぱりリビングには緋山君はいない。
キッチンにも。
じゃあ、まだ寝ているということかな。
「朝ご飯は作っておいていいのかな。」
こんな事言っても誰も答えを返してくれない。

_______________ひとりは寂しい。

最近になってそう思う。
緋山君が来る前まではずっと１人だったから家に帰って誰かがいるなんて、誰かの分の料理も作るなんてしたことが無かった。
孤独なんて気持ちは１人じゃないと感じるために必要な気持ちだと思うって大切な人から教えてもらった。

「…あれ、哀川さん……。おはよ。」
「うん！おはよう！」
緋山君が来てくれたおかげで１人の寂しさを知ることが出来たから緋山君に感謝なしないといけない。
その感謝を日頃のご飯とか家事で返していけたらいいな。

「今日の朝食は何がいい？」

少しでもこの家が緋山君にとって住みやすい家になると、いいなあ。