二人でキッチンに立つ。
「じゃあ、緋山君は何が出来る?」
「簡単なものなら。」
「うーん。じゃあ、野菜切ってもらってもいいかな?コンソメスープの具になるの。」
「分かった。」
そして、哀川さんが色々と道具、フライパンや包丁、まな板などを用意する。
その動作は実に手慣れている感じがする。

「よし!野菜、お願いね。」
「……ん。努力はしてみるよ。」
そして、各自自分の仕事に取り掛かった。



_______________数分後。
「ひ、緋山君大丈夫?」
「…………この玉ねぎ、強すぎる。」
「えっと、まず涙拭いて。」
「うん。」
前、カレー作った時よりも玉ねぎが強くなっている気がする。
「目が痛い。」
「メガネしてたら痛くないと思ったけど……。ごめんね、無理言っちゃって。」
無理って………。
「………自分以外の人に無理って言われるのってすごく嫌だよね。」
「えっ。」
「自分の仕事は自分でやりきるから大丈夫だよ。ほら、哀川さんも自分の仕事やって。」
「わ、分かった。」
そして、美味しそうなオムライスとコンソメスープが机の上に並べられるのには約2時間ほどかかった。
今思えば哀川さんが1人で作った方が早かったかもしれない。