その後の学校生活も特に変わりなく進み、家へ帰る。
「ねぇ、あれ。」
家があるマンションが見えてきた。
だけど、緋山君が指さす先には見知らぬ男の人が立っている。
「誰だろう…。用事かな?」
近づく度にはっきりしてくる顔や形。
赤っぽい髪。頬には絆創膏がはられている。
制服はここら辺のものではなく、かなり着崩している。
身長は緋山君より少し低いくらい。
「…………チッ。」
緋山君が軽く舌打ちしたと同時にその赤髪の男の人はこちらに気が付き近づいてきた。
「待ってたんだからな!」
「えっ……。」
ま、待ってた?私たちを?
一体この人は誰なんだろう、と考えていると緋山君が私を隠すように立った。
「ハハッ、螢も変わってねぇな。」
「ねぇ、何でここにいるの。澄。」
突然話し始める緋山君と澄と呼ばれる男の人。
緋山君はすごく嫌そうな顔をしている。
対照的に澄と呼ばれる男の人はすごく嬉しそう。
「哀川さん、こいつ無視でいいから。」
「えっ、外で待たせるの?」
「いや、こいつに絡むとろくなことがない。」
「でも、緋山君のお友達でしょ?」
「違う。」
「そうだよ。」
二人の意見が合わない。
どっちなのかな…。