螢side


暑い。
蝉の声が耳に響く。
暑さと騒音で僕のフラストレーションが溜まっていく。


「兄さん、僕だって高校生なんだから大丈夫だって、仕事頑張ってよ。」
「でも兄ちゃんは、兄ちゃんはぁぁぁあ!」

この暑苦しい兄をどうにかして欲しい。
________親の旅行、
________兄の主張、
その他色々な事情から僕は一人暮らしをすることになった。
一人暮らしは一度はしてみたいということもあったから快く了承した。が、頼んだ本人がこれでは頼まれた意味が無いような気がする。
「学校変わるけど良いのか!?兄ちゃん寂しいぃぃ!」
「別にいいって言ってるでしょ。」
まぁ、学校も変わるけど友達いなかったし。



_______________作らなかったし。




友達、ましてや彼女なんて考えたことない。
いたら絶対邪魔じゃないか。