あっこれは、また怒られるやつだ。


そう思って一歩後ろへ下がった途端、急に足の力が抜けていく。


立っていることが出来なくなって、おぼつかない足取りで宙をフラフラとさ迷う。


そんな私をこれでもかってぐらい睨む嘉さんに、苦笑いを浮かべる。


すると、後ろからふわっと支えられて振り向けば伽耶ちゃんがそこにいた。



「大丈夫か、千代」


「伽耶ちゃん!あ、ありがとう!」



突然現れた伽耶ちゃんだけど、その存在は今の私にはすごく心強い。


あと少しの距離で、嘉さんの動きが明らかに鈍る。