足の裏が何故かスースーする変な感覚にうずうずする。
掴まれた手首にぎゅっと力が入る。
上手く足に力が入らない。
ふと下を見れば地面に足が着いてない。
あ、そっかだから足の力入らないのか。
……って浮いてる!?
どんどんと高くなっていくその高さに足が竦む。
咄嗟に嘉さんの腕を掴む。
未知の体験に体がついてこれない。
「おっおい!そんなにしがみつくな!」
「ごっごめんなさ――」
ピシャリと言われて頭はそれの指示に従うしかなくて。
言われた通り掴んでいた腕から手を離すと、体がぐらりと傾く。
今日は何度倒れればいいんだろう。
そんなことを思いながら、体にくる痛みを覚悟してぎゅっと目を閉じる。