やれやれと言った様子で伽耶ちゃんが巻物を片付け、嘉さんが投げた羽織を拾い上げる。


パタパタと廊下を走る音が近づいてくると、伊鞠くんが持ってきたのは……刀?


伽耶ちゃんが手に持っている羽織で伊鞠くんが行くのを邪魔しようとするけれど、スッとそのまま走って庭へと出て嘉さんに持っていた刀を渡す。



「久々の力試しとするか……」


「嘉、千代に無理をさせるな。まだ結ばれて左右も分からない状態だぞ」


「知るか。もうそいつは俺の巫女だ。文句は言わせん」



……うーん、伽耶ちゃんが無理をさせるなって言うことだからきっと嫌なこと起こる気しかしない。


でも、なんだか嘉さんすごく嬉しそう。


でもその矛先を私に向けないで欲しいかなあ……



「嘉様!!西の京の方から鬼毅牙(キキガ)の気配があります!」


「丁度いい、そこへ向かうぞ!」



何かのスイッチが入ったかのように、嘉さんの体からキラキラと光の粉のようなものが舞う。