そして家に帰る方法を見つけなきゃ。
おばあちゃんが警察に搜索依頼出してたら……どうしよう。
ううん、そうなる前に帰る。
パパっと解決しなきゃ。
「私、頑張るね」
「童にしては、いい返事だ。伊鞠!」
そう言って嘉さんは広い庭へ出ると、縁側に向かって羽織を投げた。
首を曲げたり腕を伸したりしながら、なんかわかんないけど気合いを入れてる。
……なんとなく嫌な予感。
すると伊鞠(イマリ)と呼ばれた男の子が部屋の隅から立ち上がり、部屋から出ていった。
伊鞠くんって言うんだ。
顔も可愛いけど名前まで可愛らしい。