それに気づかない伽耶ちゃんは、真剣な目で私を見ていた。



「千代、嘉に力を貸してはくれぬか」


「え?」


「今のお主らは呪縛に似たようなものに縛られている。力がある者に反抗的な行動を取ると尚更その力は強まる。もう一生一緒に生活しなければならない関係になる」



……現時点で危ないことになってるに、これ以上危ないことに巻き込まれちゃうリスクが上がるって事だよね。


流石にそれは困る。



「お主より強い巫女が現れればその糸も自然と消える。もしくは嘉が力を最大限使えるようになった時、契を解消できるようになる」


「なかったことにできるの?!」


「力が全ての鍵だ。嘉の力を取り戻し天界に戻るため、巫女としての仕事をやってほしいのだ」



頼むと凛とした声が私の耳にやけに大きく響く。


言われなくても答えはもう出てる。


自分の想いを伝えようとしたその時、背後に突然気配を感じる。



「お前に最初から拒否権など存在しない」



そう耳元で嘉さんの声が聞こえたかと思うと、引っ張られるようにグラッと体が後ろに傾く。