そのまま奥の部屋へと進んでいく伽耶ちゃんの後に続く。


手を使わずに襖がスッと開ける。


固まる私を中へと促すように振り向いた。


中へ入れば、広い広い庭園が解き放たれた開放的な縁側から見えた。


中央に置かれた大きな机の上に伽耶ちゃんがお茶を置く。



「すごく広いね……」


「座る場所は選び放題だ。そんな隅っこにいないで、こっちへおいで」



手招きをされてゆっくりと部屋の中を歩く。


天井も高いし、なんだろう。


広すぎてビックリしたけど、なんかすごく落ち着く。


伽耶ちゃんの向かいに来ると、机に置かれた水ようかんに目を輝かせるようにして見つめた。


おっ美味しそう……!!


そう思うとお腹の虫も反応して動き出した。


ぐぅううと広い部屋に大きく響く。


そんな音を聞いて伽耶ちゃんが笑う。



「お腹も元気に動き出したな」


「ご、ごめん」


「遠慮せず食べるといい。お茶のおかわりもあるしな」



そう言われると食べる意欲がぐんと増す。


すとんと座って両手を合わせる。



「いただきます」



深々とお辞儀をしながらそう言い、美味しそうな水ようかんに手を伸ばした。