確か私嘉さんのお嫁さんになれって言われて、断って。
そしたら嘉さんが変わって、手の甲にキ――
思い出した途端何かが弾けるように私の顔が熱くなる。
……そういやなんか私、嘉さんのおでこにキ――
や、やめよう。
考えたらおしまいな気がする。
ごほんと一つ咳払いをして布団から出る。
辺りを探りながら部屋から出ると、伽耶ちゃんが目の前にいた。
「目が覚めたか。どうだ?体の方は」
「大丈夫。私倒れちゃったんだね」
「体が驚いてしまったんだろう。少しお茶でも飲むか?」
そう言って手に持っていたお盆を軽く持ち上げると、優しく笑った。