少し嘉さんはむっとしたけど、何もなかったようにまた口を開く。



「これ以上こんなおかしなことに巻き込まれたくなかったら、俺を受け入れろ」


「だから、説明がないから全然理解できていないんですけど……」


「いいか。これからお前は俺の妃候補だ。如何なる時も俺に従え。そして俺に敬意を払い、俺に尽くせ」


「言ってる意味が全く分からないんですけど!!」



キッパリと告げると、プチンと何かが切れる音がする。


……なんかヤバイ?


その予感は的中してしまう。



「ほう……この俺に刃向かうというのか」


「えっと、あの」


「我が身にその力を与えよ」



そう嘉さんが言い、糸を引っ張られ体がまた勝手に動き出し――


フワフワの尻尾から離れ、そっと嘉さんの頬を包み込むようにして、嘉さんの額に唇を押し当てた。


そしてまた跪き……ってぇえええ!?



「ふん。俺に逆らった罰だ。もう少し敬意のある接吻が出来ぬのか?」



せっ接吻……!?


いや待ってよ!!!!


私したくてしたんじゃないし!!!



「いいか童。お前はこれから俺に尽くさねば今回のような恥を味わうことになる。そうならないためにも、まあせいぜい努力するんだな」



勝ち誇った笑みで今度は私が見下される。


何が起こってるかよく分かってないけど、でも一つだけ言える。