そんな様子を眺めていた伽耶ちゃんがやれやれと言いながら、嘉さんの元へと向かう。



「……これはこれは完璧に逆転したな」


「伽耶っどうにかできんのか!!」


「無理だな。これも掟の一つだ」



ぽんぽんと嘉さんの頭を撫でて宥めようとしても、嘉さんの怒りのオーラは収まらない。


な、何がどうなってるの?



「せっかくここまで集めてきたというのに……!このど阿呆!!」



顔を上げることはせず跪いたままピシャリと怒鳴られる。


男の子と伽耶ちゃんに囲まれた嘉さんの元へ私も近づく。


何がどうなってるかさっきから全然分かんないことばっかりだよ……もう!!



「ごっ、ごめんなさい!!」



怒られたということは私が何かしてしまったということ。


ひとまず謝るしかない。



「お前がただの神楽の御前だったら……!」


「もう言った所で遅かろう。千代に敬意を示すかない」


「そんな屈辱味わうわけがないだろう!」



頭を垂れたまま怒った口調で言い放つ。


だけど伽耶ちゃんは冷静な声で嘉さんを宥める。



「そんなことをしているから、ずっとここにいるはめになるんだ。我慢という心を少しは覚えろ」


「ちっ……」



小さく舌打ちをして、嘉さんは一呼吸おいた。