布団から抜け出し、障子をそっと開ける。
眩しい太陽の光が1日の始まりを告げる。
大きく深呼吸をして、うーんと伸びる。
今日は何かいいことあるといいな。
ピピピと設定した時刻を知らせるアラームが、静かな部屋に鳴り響く。
アラームを止めて、そっと棚の上を見る。
飾られた写真立てに写っている二人に向かって、声をかける。
「おはよう。お父さん、お母さん」
小さく笑いかけると、写真の中の二人も笑顔でおはようと返してくれた……ような気がした。
「千代ー?起きてるかい?」
私の名前を呼ぶ、おばあちゃんの声が聞こえる。
「はーい!起きてるよー!」
そう元気よく返して、もう一度伸びをする。
引き戸を開けて、私を待つおばあちゃんの元へと向かった。