ポンポンと頭をそっと叩かれ、宙を舞う伽耶ちゃんを見上げればすまなさそうな顔をしていた。



「わしにも何が原因かよう分からぬ……ただ千代。お主、何か言霊を持っていないか?」


「言霊?」


「何かお主の中から力を感じる」



……もしかして、もしかすると。


昔からおばあちゃんに聞かされて育ったあの言葉のこと?


あんなの家々に伝わる古い言葉であって。


そんな……ただの言葉で……



『いいかい千代。言葉には不思議な強い力がある。


人を強くし逆に弱くもする。そして何より言霊が宿る。


人間の力とは歯が立たない程の強い力が言葉には宿る。


この言葉は外では言ってはいけないよ。


この血を受け継ぐ者の掟なんだから――』