もしかして……戦力ないのにこの強気な言い方は不味かったかな。



「先代の巫女は自分の身を自分で守った。しかし、お前にはそれができない。……俺はお前のことを常に守れない。力を集めているこの俺に付き纏えば、お前は必ず怪我を負う可能性がある」



そんなの分かりきってる。


だから私は力を付けたいんだ。


もう、足でまといにならないために。



「――俺は一度この手で、守らなければならないものを壊してしまった。自ら壊して傷ついたというのに、他人の手でそれを壊される辛さが分かるか」



少し苦しそうな嘉さんの顔を見ながら、小さく首を横に振ることしかできない。


いつもと違う嘉さんの表情に、私の胸が締め付けられていく。


どうして……そんな顔をするの?



「俺は力を取り戻したい。だが、お前を傷つけるつもりもない」



そう言って、強く抱きしめてきた。


優しい嘉さんの温もりがそっと伝わってくる。