「私には力はまだありません。でも、この間の戦いでも私は、力を解き放つことができました。これから前に進めるんです。だから――」



そんな私を必要ないなんて言わないでほしい。


巻き込まれて変な契約させられて、毎日大変なことばかりだ。


でも、嘉さん達といると楽しい。


楽しいだけじゃない。


暖かくて毎日が新鮮で、キラキラしてて。


最初はどうにかこうにかして、嘉さんとの契約を破棄させたいと思った。


絶対こんな毎日嫌だって思った。


でも、みんなと関わるうちに私自身が変わっていった。


あの龍が私の中の力を引き出してくれたように、私も嘉さんの力を取り戻したい。


この人達と、同じ道を歩みたい。


そう。一緒に――戦いたい。


強い眼差しで嘉さんを見れば、少し驚いた顔をしてやれやれと小さくため息をついた。