きゅっと抱き寄せられる力がこもる。


どうしたものかと顔を見上げると、同じタイミングで嘉さんも私を見た。


絡み合う糸のようにその視線が結びつく。



「お前は巫女の血を引く者だ。我々と共に過ごして来ていた先代の巫女達は、共に戦い力をつけながら前へ進んだ。でもお前は違う」



人と比べられるのは正直好きじゃない。


私は私というその事実を否定されているような気がして、胸が痛む。


確かに私には、今までいた巫女よりは力はない。


それは誰が言おうと、確かな事実だ。


事実は事実でも、それは変えられること。


私が前へと進めば進んだ分だけ、強くなれるんだから。


それを始めから否定されるわけにはいかない。