すると大きく跳ね返る音が鼓膜を揺らした。
痛みがこないことから、何かが起こった事は確か。
バリバリと何かが擦れる音と、目を閉じていても感じる程の強い光。
出来事を確認するべく、目を開けた。
『兄さん!!目を覚まして!!』
聞き覚えのある声とその姿に、あっと声が漏れた。
私と戒哲の前で両手を前に突き出し光の結界を張っていたのは、私を助けてくれた戒哲の妹だった。
振り下ろされた戒哲の大鎌を寸前のところで食い止めていた。
『この人の力を手に入れても、私は兄さんの元へは帰ってこれない!!』
泣き叫ぶように戒哲に強く訴えるけれど、戒哲は力を込める一方でこの子の声は耳に届かない。
『私のために誰かを……傷つけるようなことなんてしないで!!』
「『愚かな人間ダ。死んだ者ヲ生き返らせるコトができると言ったら、ノコノコと着いてキタ。そのまま心ヲ奪ワレ、こうやって妾のカラダとなったのだからな』」
『お前なんかに兄さんが負けるわけないっ!!!!』
ギリリと力を込めてくる戒哲――いや火の鳥に、結界がどんどん押されていく。