その光は嘉さんの傷口を優しく撫でるように流れていくと、赤い染みが消えていった。


それと同じように私の肩の傷口もそっと消えていく。


立ち上がった嘉さんはそっと私に手を指しのばす。


その手を取り立ち上がると、急に抱きしめられる。



「よ、嘉さ――」


「頼むからもう無茶はするな。お前がいないと俺は戦えないんだ」



弱々しく吐き出したその言葉はどこか震えている。


嘉さんの背中にそっと腕を回し、大丈夫だということを伝える。


私の気持ちが伝わったのか、嘉さんは抱きしめた力を緩め私の顔を覗き込む。


にっと笑ってみせると、小さく笑みを返された。



「ええい!!二人まとめて始末してやる……!!」



頭上から聞こえたその声に、はっとしつつも体はふわりと宙に浮く。