「嘉さん駄目……!傷口が開いちゃう!!」
「こんな傷で殺られると思うっ……な」
苦しそうに一言一言発する嘉さんの体がぐらりと傾く。
傷に当たらないように、支えるとガックリとその額を私の肩に預けた。
額から滲んだ冷や汗が、さっき負った傷に染みていく。
その痛みをぎゅっと我慢しながら、嘉さんをゆっくりとその場に座らせた。
「嘉さんごめんなさい……ごめんなさい……」
謝ることしかできないこの状況に、頭の中が真っ白になっていく。
どうして……関係のない人達を巻き込んでしまうの。
狙いは私の中にある力だっていうのに。
「なぜ……お前が謝る……」
かすれた声で嘉さんがゆっくりと顔を上げた。