すると、刀が徐々に光を集めてはその形を変えていく。


太刀は大太刀へとしなやかに伸び、刃紋は蛇のように己の意思を持って動き出す。


柄を握り直した嘉さんは、またも向かってくる炎の輪に自らその身を投げる。


十の字を書くように、綺麗に刀を裁くと一気に火の鳥との距離を縮めた。


慌てて火の鳥は翼で風を起こし、距離を取る。


だけど、嘉さんは怯むことなく風を切った。



「ちょこまかと動くな、この焼き鳥めが!」



や、焼き鳥……!!


なんというネーミングセンスのなさ!!


確かに合ってると言えば合ってるけれど!!


この張り詰めた空気の中で、まさかそんな言葉が出てくるとは思いもしなかった。


それでも当の本人は本気だ。