その場にしゃがみ込むと、ずっしりと重たいものが私に覆いかぶさってきた。


恐る恐る顔を上げれば、目を閉じた戒哲がぐったりと私に体重を預けて倒れていた。


その上には鳥はどこにもいない。


今の間で……嘉さんが切り離したっていうの?


あの距離で咄嗟に動けるなんて、やっぱり嘉さんはすごい。


そっと戒哲の体を起こして地面に寝かせれば、突風が吹き荒れる。



「動くなと行ったのにお前はなぜ俺の言うことを聞かん!!」



突風が吹き抜けて行く中、はっきりと嘉さんの声が私の耳に届く。


はっと後ろを振り返れば、刀を構えた嘉さんがそこにいた。



「だっだって!!」

「まあいい!これでようやく本気の力を出せるってわけだな!」



嘉さんの嬉しそうなその声に、嫌な予感しかしない。


その予感は的中するばかりで顔が引きつった。


「よ、嘉さん、あれ……なんです……か?」


途切れ途切れにそう聞くと、またしても嘉さんの尻尾は嬉しそうに左右に揺れる。