肺いっぱいに空気を吸い込み、嘉さんに届くように声を張った。
「嘉さん!!!相手は戒哲じゃない!!上にいるその鳥!!!」
「なんだ!」
「と!り!その人は鳥に操られてる!!!」
そう、戒哲の目に影が宿っている時は近くに鳥がいる。
怪しげになくその鳥が全てを操っていたとしたら。
戒哲の動きを止める方法はあの鳥にかかってる!!
近くにあった石を拾いあげて鳥に向かって投げる。
何発か石が当たる度に、戒哲の動きは余分な動きを増やしていく。
そうだ、絶対にそうだ。
あの鳥が親玉だ!!!!!!
そうと分かれば、こっちだってしょぼい攻撃してやるんだか――
「ヒェヒェエ!!!!」
「ふえっ?!」
間抜けな声が漏れた時には戒哲が目の前にいた。
もちろんその上空にはあの鳥がいる。