仕方ない……とりあえず真っ直ぐ歩いてみるか。
鞄を担ぎ直して、またゆっくりと歩き出す。
雨に濡れた土で少し歩きづらい。
鳥のさえずりが遠くから聞こえてくる。
本当に私どこ歩いてるんだろう。
スマホで現在地を特定したら一発なのに。
その頼りになるスマホは、今ご機嫌ななめ。
電源すらつかない。
本当に今日ついてない日なのかもしれない。
遭難事故に合ったら……もう、どうしよう。
ううん、悪いことは考えちゃダメ。
前に進むのよ千代。
そう自分に喝を入れて、訳の分からない山道を歩き始めた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…