確かにあの駄菓子屋の間を通って来たのに。


歩いてまだ3分も経ってない。


ただの直線な道を歩いてきたはずなのに。



「道が……ない」



見覚えのない森の中を一人歩いていた。


道しるべになっていたあの桔梗の花もどこにもない。


辺りを見渡しても家らしきものも見当たるわけもなくて。


引き返したくてもここがどこなのかさえもわからない。


……これってつまり。








迷子状態??


ぽりぽりと頬をかいて、はは……と小さく笑う。


いや、笑えないけど。