しばらくの間ずっとその路地に咲く桔梗の花を見つめる。


キラキラと輝く雫がすごく幻想的で……


その輝きに吸い込まれるような感覚に陥る。


するとまた綺麗な鈴の音がその路地の奥から聞こえてくる。


もう何の迷いもなく足が動いた。


路地へと足を踏み入れた瞬間、ぶわっと強い風が背中を押すように吹き荒れた。


そのまま前へと一歩一歩と進んでいく。


まるで歓迎されているようなそんな気分。


時折聞こえてくる、楽しそうな女の子達の笑い声。


その声と共に白い桔梗の花がユラユラと揺れる。