「お前聞いてたのかよ!!
あれはその場しのぎの嘘に決まってんだろ!」
聞いてたも何も聞きたくなくても聞こえてるんだから。
前の席の話し声が聞こえないほど俺は耳悪くねぇし。
「ふぅん」
「ちょ、拗ねてる律哉が可愛すぎる!」
「誰も拗ねてないんだけど」
なんでお前の言動にいちいち拗ねなきゃなんねぇんだよ。
俺が女々しいヤツみたいになるじゃねぇか。
「ツンデレか…!?それとも無自覚!?
あー!可愛い!彼女にしてぇ!!」
今にも俺を抱きしめそうな勢いの流星に少し笑ってまいそうになるを堪える。
笑ったら、絶対コイツ調子乗るもん。
抱きつかれるのも勘弁だしな。
「僕はそっちの趣味はないからごめんね」
「俺だってねぇよ!」
うるさいけど、流星といると楽しい。
こうやって自然と笑えている自分がいるんだから。
それからしばらく流星としょうもないやりとりと続けてからチャイムが鳴った。