「く、くだらないって…!」
「お前は俺が好きなんだろ?
だったら、黙って放課後空けとけよ」
花蓮ちゃんにかき乱されるなんてなんか無理。
もう自分の感情がコントロールができていないことなんてとっくの前から気づいている。
学校で素の俺に戻るなんてありえないことなのに
花蓮ちゃんといるとなんか調子が狂って仕方ない。
「先に帰ったらどうなるか分かってるよね?」
「わ、わかりません!」
「そのスカスカな頭で考えとけ。じゃあな」
花蓮ちゃんを置いてスタスタと廊下を歩きながらどんな放課後が待ってるんだろう、と考える。
もう一時間目が始まっていたけど俺が静かに教室に入り、『遅れてすみません』と言うと先生は『次からは気をつけなさい』だけで済んだ。
これもいつも優秀なフリをして王子様キャラでいるおかげだ。
まあ、花蓮ちゃんは今頃こっぴどく怒られているんだろうけど、なんたって入学してまだ一日しか経っていないのに授業に遅刻なんてぜってぇ先生に目をつけられる。
花蓮ちゃんは怒られながら心の中でまた俺のことを愚痴ってるんだろうな。
たまに心の声がもろに出てるし。