すると、花蓮ちゃんは危険を今ごろ察知したのか「キャッ!」と小さく悲鳴を上げて俺の手を掴んでまたしても潤んだ瞳で見つめる。
だから、その目が危ねぇって言ってんだよ。
コイツは人の話を聞く気があるのか?
「や、やっぱり先輩は変態です…!
お、お、女の子の…ふ、太ももを普通に…さ、触るなんて……!」
さっきまで俺を見つめていた黒目を左右に忙しく
動かして、オドオドし始めて震える声でそういい、俺を視界に入れようとしない。
ふぅん、動揺してんだ。
まあ、見たとおり純粋そうだもんな、花蓮ちゃんは。
「嫌だった?」
「い、嫌に決まって…!」
「じゃあ、なんでそんなに顔が赤いのか、理由を僕にも分かるように教えてよ」
やっぱり、俺と視線を合わせなかったのは自分の顔を見られたくなかったからだ。
赤くなった顔を俺にバレないようにするために。
そんなことしても無駄って分かんないのかよ。
俺にはそんな甘い考えは通用しねぇんだから。