「そんな目で見て僕のこと誘ってるの?
ここは学校だっていうのにきみも悪い子だね」
「さ、誘うって何の話ですか…!?
今は私のおでこが痛いっていうお話を……」
「ハァ…これだから天然は……」
コイツの頭の中は一体どうなってんの?
覗けるもんなら覗いてみたいよ。
ネジが一本抜けてんじゃねぇの?
「そんなことよりも…先輩のお話を…!」
「あぁ、そうだった。」
「忘れてたんですか…?」
「うん。
でね、話っていうのは昨日の約束覚えてる?」
これで、『忘れた』なんて言ってみろ。
今ここで、その桜の花びらのようなピンクの唇を奪ってやるからな。
「約束って……」
「なに?僕との大切な約束をもう忘れたの?
その頭には一体何が詰まってるのかな?」
コツン、と花蓮ちゃんの額をつつく。
すると彼女のまるでミルクのような頬はみるみるうちにトマトのように甘く染まっていく。